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新規事業の全部書きました

こんにちは!神田です。



前に書いたモリンガ、最近では友達に会う度に「モリンガって知ってる!?!?」て
聞いてしまいます。

その後も効果は変わらず、かなりお気に入りです、モリンガ。

この前実家のお父さんに1瓶あげてきました。
お酒もタバコも控えるようになってから便通が悪くなったみたいで。

しかも、そのおかげか痩せた?て言われたーーー!!!!!!!
最近夕ご飯の炭水化物抜きも守れてないし、筋トレもちょっとさぼってるし、
恐ろしすぎて体重計乗れてなかったけど、そんなん言われたら乗るしかないしと思って
体重計乗ってみたらちょっとやけど減ってるーーーー!!!!!!!

ちょっとですよ、ほんのちょっと。

増えてないだけ奇跡な生活を最近してたもので。


モリンガ最強説。




おわり






あれは5月の中旬のことです。





確かゴールデンウィークが終わったころ。


今年のゴールデンウィークはとても長くて、ランチと夜の営業続きでヘトヘトに疲れていました。




そんなゴールデンウィークがやっと終わって、沖縄にタビニコのお店作りの手伝いへ。



沖縄から宮崎に戻ってからはいつもの平穏な毎日が戻ってきました。










そんなある日、僕らは買い出しの途中で美々津の町中を走っていました。



「あ、カンちゃん、ほらほら、ここの家って売り物件だよね。」



「あ、そうだね、結構前から出てるけどなかなか売れてないねー。」



美々津といえば古民家が残る重要伝統的建造物群保存地区ですが、保存地区になっているのは僕らが住んでいる立縫地区だけで、他のエリアは現代的なサッシの家が並ぶ普通の地区になっています。


そうした地区にはちらほらと現代的な家が売りに出ていたりしますが、やはり人気なのは古民家なのでそんなにすぐに決まったりはしないんですよね。




「見た目立派だよねー。全然すぐ住めそうやん。これっていくらなの?ネット出てるよね?」



「えーっとちょっと待ってねー。えー、あったあった、これはですねー、1100万円だねー。」



「ふーん、結構するねー。でもすぐ住めること考えたらこんなもんなのかなー。」



「そうだねー……………………ハウアッ!!!!!」



「ど、どうしたの!?」




驚きすぎて横でカモノハシの赤ちゃんみたいな顔とお腹になってるカンちゃん。


な、なにどうしたの!?




「ちょ、ちょっとこれ見て!!!!」



「なになに!?!?」




カンちゃんが見せてきたiPhoneの画面!!!








そこに映っていたのはなんと!!!!!









ピンタレストで出てる可愛いバッグ!!!!




「ほう?ヒョウ柄ですか。不動産情報を見ていたのでは?」



「なめたらいけません。女子はすぐバッグを探すのです。」





というのは冗談で、




カンちゃんの画面に映っていたのは、美々津を代表する老舗旅館、ときわ旅館でした。




と、ときわがどうした?





え、ま、まさか…………





「フミ君!!!ときわが売りに出てる!!!!」




その瞬間、光の速さで不動産屋さんに電話しました。


出たのは可愛らしい声の女性。




「はい、シュシュ不動産です。」



「す、すす、すすす、す、すす、す、スマタ、じゃなくてすみません!!ネットでときわ旅館の情報を見たんですが、ネット上の広告を、さげ、さげ、さ、さささ、さげ、さげ、サゲマンですか?じゃなくて下げてもらえませんか!?!?僕信じられないくらい頭悪いんですけど買う意思があります!!!!」




もう2秒です。

ソッコーで不動産屋さんにときわの情報を隠してもらえないかお願いしました。




「あ、あの、金丸さんですか?」



「あ、そうです、どうもってウケる!!!なんで俺のこと知ってるの!?!?え?そういえばなんか聞いたことのある声のような気が…………ま、まさか高校時代に合コンして王様ゲームで腕立て伏せ10回ー!!とか最初はクソどうでもいい命令から始まって徐々に過激にしていって最終的にシュシュで僕の息子をシュシュしてもらったあの同級生が作った不動産屋さん!?!?地元怖い!!!!」



「金丸さん、私です。最近独立したんですよ。」








出ました。










コニー来たあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!




まさかのひなた屋の物件でお世話になったあの凄腕超やり手不動産屋さん、コニー!!!!!


売り手買い手、どちらの側にもしっかりと寄り添い、心のこもった仲介をしてくれる現代不動産界のアンジェリーナジョリーと呼ばれる最高の人がまさかの担当!!!!!

ていうか持ち物件!!!!!!



「前働いてたところから独立して最近1人でやってるんです。わかりました金丸さん、ときわ旅館に関するネット上の広告、下げますね。もしよかったらときわ旅館の中、見ますか?でしたら2日後の15時とかどうですか?家主さんに確認とっておきますね。その時に不動産情報の書類お持ちしますね。」



展開早っ!!!


コニーやり手すぎてビビる!!!!!!


うわあああああああああああああああああああ!!!!!!


なんかもう色々ヤバい!!!!!


と、ときわが売りに出された!!!!!


あの美々津を代表する老舗古民家料亭旅館!!!!



このところはもう営業をしていないのは知っていたけど、まさか売りに出されるなんて!!!!


ときわ旅館といえば美々津の人間ならば誰でも行ったことのあるお店。


ものすごく料理にこだわっており、先代は総理大臣に料理を作ったりしていたような超すごい料理人。


法事や色々な宴会とか、誰もがこのときわ旅館でご飯を食べたことがある美々津人の誇りみたいな場所です。



築年数はなんと明治2年。


廻船問屋が並んでいた美々津のビジネスストリートである中町通りの真ん中にドーンと鎮座しており、まさにかつての美々津千軒の繁栄を支えてきた老舗中の老舗!!!!!!



そのときわが売りに!!!!!!










この時の僕の心中。


それは焦りでした。



現在、美々津は昨今の古民家ブームもあって、古民家を買い漁る投資家や大きな企業に狙われている状況です。


古民家を活用した大きなビジネスを展開する企業が、日本各地の古民家を買い、改装し、オシャレな箱に生まれ変わらせる。

そんな動きが県外の保存地区で見られますが、美々津にもその波は来てるんですよね。




ただそうやって活用しようとしてくれてる企業は美々津的にはまだいいんですよ。

少なからず活気が出るので。



ビジョンもなく、ただ何かに使えそうだからみたいな感じで古民家を買い漁る近隣の金持ちもいるんです。これはもうひどいです。



買ったはいいが何年もの間何もしないで放置。


ろくに風通しにも来ず、密閉したままなので湿気がたまって白アリの活動が活発になる。


台風で白壁が落ちてもほったらかし。



美々津の大事な大事な宝である古民家を完全に殺している状況。



景観も悪くなるし、古民家が傷んでしまう。


お店をやりたい、美々津に住みたい、でも物件がないからできない、っていう人たちの可能性を潰している。

それはそのまま人口増加にも歯止めをかけていることになります。



美々津の町の人たちもみんな頭にきていて、たまにその金持ちが美々津に来た時に、あなたあの古民家たちをどうするつもりね?無駄にして傷ませて、って文句を言うと、俺が金出して買ってるんだから俺がどうしようが勝手だろ!!みたいな感じで口論になる。


いやいや、限りある美々津の古民家を買ったんだからせめてなんかしようよ?

美々津に魅力を感じたから古民家買ってるんでしょ?

放置してたら美々津の魅力を殺してることになるんですよ?


それとも古民家は金になりそうだからって完全にビジネス目線で買っただけで町には1ミリも想いなんかないってことですか?






この1年、その状況をまざまざと見てきました。



だから焦りました。



ときわ旅館までそんなことになったら…………









僕はすぐさまネット上から広告を下げてもらいました。


買うのか?


ひなた屋をオープンして7ヶ月。


ようやく軌道に乗ってはきたが、まだたかが7ヶ月。




ときわ旅館のネット上での売値は、







1500万円。






気の遠くなるような金額。

とてもじゃないけど買えない。


いや、老舗旅館が土地込みで1500万円なんて普通に考えたらめっちゃ安いんだろうけど、今の僕らにとっては天文学的な数字。


改修も必要になるだろうから余裕で2000万を超えてくるはず。


ある程度値切ることはできるかもしれないけど、今まだオープンして7ヶ月なんて状況で新たに大借金を背負って、ひなた屋まで潰してしまったらシャレにならない。


当たり前だけど、勢いで手を出せる金額じゃない。






でも、でも誰かがやらないといけない。



美々津にこれ以上空き家が増え、代々受け継がれてきた古民家が潰れて更地にされていったら、僕の大好きな美々津が美々津じゃなくなってしまう。


この美々津を命をかけて守ろうとした爺ちゃんの想いが無駄になってしまう。



誰かがやらないといけない。









ビジネスプランはある。


もともと僕らはゲストハウスをやりたいという想いをずっと持っていました。

しかし、生活基盤を築くためにまずは居酒屋からスタートさせ、その後ゲストハウスをやろうかと考えていました。

元旅館のときわはゲストハウスをやるにはうってつけの建物。



が、現在美々津にはたまのやさんというゲストハウスができました。


普通の現代的な建物で民泊をやっている形で、県外から来る僕らの友達をたまのやさんに紹介したり、たまのやさんも宿泊客を晩ご飯にウチに連れてきてくれたり、お互いにいい関係でいられてると思います。


お客さんの取り合いをしてこの関係を壊したくはない。






ではゲストハウス以外で何ができるか。



それは僕らが美々津でお店をやっている中で、県外の人からよく聞く質問の中にヒントがありました。



「美々津って賃貸はないの?」



「お試しで1ヶ月とか生活してみたいんだけど、そういう気軽に借りられる家とかある?」





美々津の中心地って賃貸ないんですよね。


アパートなんかないし、古民家の空き家はあっても購入になってくる。


どの古民家も改修が必要になるのでかなりのお金がかかる。


それに保守的な土地なので県外の人にポンと売ってなんてくれないし、よほどの縁がない限り一軒家の賃貸なんかできない。


日向市にアパートを借りようにも、日本の賃貸は2年契約だし、敷金礼金がかかるし、家具も揃えないといけない。



そこで浮かび上がるビジネスプラン、





それはシェアハウスです。





ときわ旅館は元々旅館です。


すでに建物の中にたくさんの部屋が存在します。


それらを部屋ごとにマンスリーで貸すシェアハウス。




現在、シェアハウス市場はすごい勢いで拡大しています。


ひとつ屋根の下で何組もの人たちが共同生活をするという、昔でいう下宿ですが、最近のシェアハウスは安いから選ぶというものではなく、逆にオシャレな存在として認知されてきています。


IT系のシェアハウス、外国人多めのシェアハウス、食べ物に特化したシェアハウスなど、それぞれ面白い個性を売りにしており、共有スペースであるリビングなんかどこかヨーロッパのカフェですか?みたいにオシャレな場所ばかり。


東京大阪の大都市ではすでにかなり一般的で、学生の利用者が主なんだけど、最近では田舎暮らしを求めて地方都市や、大自然に囲まれたところにシェアハウスが作られるケースもどんどん増えてきています。


自然に囲まれた静かな場所で集中してパソコン作業をしたいフリーランスの人や、会社のオフィスを田舎に作るサテライトオフィスも少し前からトレンドになってきている。




建物は美々津を代表するガッツリ古民家。

部屋の窓からは思いっきり水平線。

一歩外に出たら江戸時代のような町並み。



温暖な気候、日本を代表するサーフィンの聖地、ご飯美味しい、



これしかない。

絶対イケる。



その想いは実際に建物の中を見せてもらってより確かなものになりました。






























カッコよすぎる!!!!!!!









































とんでもなくデカい厨房。

水平線を見渡す宴会場。

文豪が長逗留していたようなレトロな部屋。

可愛らしい洗面所。

そしてそれぞれの部屋。


営業はしていないけど、今でも人が住んでいるので荒れた様子は微塵もない。


明日からでもシェアハウスをやれそうに見える。

































ただやはりボロくなっている部分はある。


床板が沈む場所があったり、畳がへたってたり、砂壁がはがれていたり。


でもひなた屋の時のような大規模な改修は必要なさそうな様子。


リノベーションしたら、とんでもなくカッコよくだろうっていう映像がムクムクと湧いてくる。

















ここの2階なんて思いっきり船底天井。


美々津は港町。かつてたくさんの船大工さんたちが暮らしていて、その船大工さんたちが民家の建造も手がけていました。


なので昔ながらの美々津の古民家の天井部分は船をひっくり返した舟底のような、弧を描いた形になっています。

マジモンやん…………

















もーーー、初めて内覧させてもらった日はたまらん興奮でした。


イケる!!!!

イケるしかない!!!!


田舎の美観地区で、あんな古民家旅館でマンスリーなんて、俺だったらめちゃくちゃ住みたい。


これまで日本各地にある歴史的な町を訪れ、あぁ、素敵なところだなぁ、こんなところで生活する人たちはどんな毎日を送ってるんだろうっていつも旅情に耽っていたけど、それを実際にお手軽に体験できるなんて旅人じゃなくてもロマンがある。


内覧したのはちょうどひなた屋に滋賀のダイスケ君たちが来てくれた日の前日だったなぁ。





河村さんたちも。









いやぁ、色々急激に動き出したのが5月のことだったんだよなぁ。














しかしお金はない。


笑えるほどない。


当たり前です。僕らまだお店をオープンして7ヶ月。

据え置き期間中なので元本の返済も始まっていないような状況。


そんな中で物件を買って新規事業?






でも僕らにはアテがありました。



それは知り合いのお世話になってる社長さん。


昔から僕らのことを応援してくれていて、今後もし欲しい物件があったら買ってやるからいつでも相談しろよ、と言ってくれていました。


もちろんそのお言葉に飛びついて軽々しくお金貸してください!!なんて簡単には言えない。


ひなた屋の時も、クラウドファンディングはやりましたが、それも含めて自力で頑張りました。





しかし今回は言える。


今回の物件だけはぜひ社長にお願いしたいと思い、すぐに電話をかけました。


そしてすぐさま事業計画書作り。


前回ひなた屋の時に事業計画書を作っているので、コツもわかっており、ズバッ!!っと完成させました。






そして関西に飛び、社長とお会いする機会を作ってもらいました。


前々から欲しい物件があったら相談しろよと言ってくれていた社長。

今の僕らの想いをぶつけ、物件を買う資金を提供していただきたい!!!!





が、結果は前にブログに書いた通り。




社長の口から出た言葉は、






「金を出すことはできん。まずは自分たちでやってみろ。」








ガックーーーーーーン……………




でした。



社長に貸してもらえなかったら無理やん…………


こんなまだお店をオープンして7ヶ月の駆け出しのやつらに追加で融資をしてくれる金融機関なんて存在しないよ…………


終わった…………












で、諦めるような往生際のいい人間ではないですよね。


諦めなければ道はひらける。


100曲歌って全然ダメでも、101曲目で何かが起きるかもしれない。


全力で立ち向かえば必ず活路は開ける。



それを旅の中でいやってほど学んできた僕です。


社長と別れたその瞬間から知り合いに電話しまくって金融機関を探しました。



融資を受けるしかない。


それしか道はない。














が、まぁ分かっていたことですが、全ての金融機関が門前払いですよね。


普通、新規事業を始めようと思ったら現在稼働している事業の3期分の決算書と納税証明書が必要になるそう。


僕らまだ7ヶ月。


話にならない。



それでも諦めず、まずは地元の工務店さんに改修の見積もりを出してもらう。


とんでもない値段の見積もり書が上がってくる。



物件代金と合わせたら笑うしかない金額。



でも諦めない。



前回と同様、できる限りの工事は自分たちでやるとして、改修の内容を詰めに詰めて費用を抑える。


そして事業計画書をもう一度最初から洗い直し。


家主さんに、かつて旅館を営業していた時にかかっていた光熱費をうかがい、その他のかかってくるであろう経費を算出し、何割稼働すれば回っていくのか、数字を極限まで細かく割り出していく。



すると、まぁ最初に作った計画書の甘かったこと…………


こんな計画書の内容では全然ダメだったやんってことがわかって血の気が引きました。


社長に断られなければ、僕らは甘い計画で事業をスタートさせ、シャレにならないことになっていたはず。


その時感じていたのは、社長に対する感謝でしかなかったです。


きっと社長は僕らを試すため、もっと真剣に慎重に事業を作り上げさせるためにあえて僕らの申し出を断ったんだと思いました。


その想いに応えるためにも、なんとしても融資を勝ち取ってみせると心に決めていました。










が、いくら想いはあっても、お金はマジでどうしようもない。


何回シミュレーションして、何回収支計画を立てても、今かかる初期費用ではとてもじゃないが返済していくことなんかできない。


この美々津で、この大きな物件を活用して、成立するビジネスモデルはマジで限られてくる。


初期費用をいかに減らせるか、それしか道はない。


値切るしかない。





コニーに電話して、改めて計算して僕たちが出せる金額を伝えました。


さすがのコニーも戸惑ってる。


もう本当、マジで怒られるよな…………っていう金額です。


それを家主さんに伝えないといけないコニーの役割も大変だよな…………




正直、ここまで色々準備はしてきたけど、これでダメなら諦めようって思ってました。


何度も何度も数字を弾いた結果、かけられる初期費用の限界がこの金額。


改修費用を限界まで下げ、できる部分を自分たちでやり、設備投資もなんとか下げ、その上で物件にかけられる金額はこれが上限。


そんな金額無理ですって家主さんに言われたら、諦める覚悟でした。









そして返事は、




















その金額でいいですよというものでした。




すぐに家主さんにお会いしに行きました。



家主さんは優しそうなおじさんで、一緒に高齢のお婆ちゃんと暮らしていました。



「あああああー…………金丸さん…………?シノブさんの孫………………あああああああー、シノブさんには、ほんっとーーーーーにお世話になってねええええええ…………シノブさんはウチの旦那と、先代と仲が良くてねぇ………………よくここにも来てたとよおおおおお…………アラァ……シノブさんのお孫さんねぇえええええ…………」



「金丸さん、僕はこのときわを売ることで利益を得ようとはこれっぽっちも思ってないんですよ。ときわをこの美々津のために役立てていただけるかたにお譲りしたいと思っています。」



家主さんの目をしっかり見て、頑張りますとお伝えしました。


また爺ちゃんに助けられたなぁ。






















物件代が大幅に下がったことは僕らにとってあまりにも大きな一歩でした。


大工さんと打ち合わせを重ね、改修費用の見積もりも極限まで下げました。





白アリ業者さんにも検査してもらったけど、白アリの被害はナシ。




この数字なら返済計画を立てられる!!!




光が見えてきたその時、ひとつの金融機関が僕らの事業計画に興味を持ってくれました。



それはまさかの農協。



農協?農協って農家のためのものだよな?



農協に金融商品を扱う部署があるのはもちろん知っていたけど、でもそれは農家さんがハウスを建てたりする時にお金を貸すもので、あくまで農業に関わるものだと思っていました。


それがこんな非農家の事業に?





でも少しでも可能性があるなら挑戦しかない。


農協で働いてる同級生に口をきいてもらい、金融担当の男性とお話をする場を設けてもらいました。


担当さんの反応は上々。



「金丸さんのような、これからの人に融資していきたいです。頑張りましょう。」



そう言ってもらえた時、マジで嬉しかったです。


これまでどこも門前払い。

もしくは金利がとんでもなく高くてとても借りられない。



そんな状況で農協さんはとても前向きな姿勢。

さらに提示してくれた金利は変動金利で0.9パーセント。




マジか!!!!!


銀行とかで借りると5パーセントとか余裕で超えてくるんですよ。

8パーセントなんてとこもあったかな?



それが0.9パーセント!!!!!!



それまで変動金利ってのも知らなかったんですが、世の中の景気によって金利が変動するシステムとのこと。


それってちょっと怖いんじゃないか?って思ったんですが、担当さんが言うには上がったとしても1パーセントそこそことのこと。



これしかない。


農協落とすしかない。








それから担当さんと打ち合わせを何度も重ねながら、事業計画を詰め、シミュレーションを繰り返し、裏どりを進めていく。


情報を収集し、市場を調べ、全国各地の前例を勉強していく。


シェアハウス系のオンライン集客サイトに情報を掲載してもらった際の手数料も、サイトに電話をかけて細かくリサーチ。


日向市内にあるウィークリーマンションの相場も調べ上げ、さらに不動産屋さんに問い合わせてそれらの年間稼働率も把握。


そして僕が長年続けているブログ。このアクセス数による拡散力も武器のひとつとしてアピール。




カンちゃんはカンちゃんでひなた屋の収益をマジで1円単位まで細かく集計。


本当は3年分の収支決算が必要なんだけど、それができない分、現時点での数字をキッチリ出していかないといけない。


大事なのはひなた屋が充分な売り上げを出しており、しっかり経営できているかどうか。


農協にはその、「しっかり経営できているか」という試算基準があって、それを満たしていなかったらそもそもお話にならない。


ひなた屋はなんとかそれをクリアしている。


レシート1枚1枚を打ち込み、雑費やら経費やら生活費やらを仕分けし、寸分の狂いもない表を作り上げていく。



農協この辺り厳しかったー。


電気代や水道代などの金額、それらはオープン前のものなのか回収期間中のものなのか、ありとあらゆる金額を細かくチェックされました。

通帳もくまなくチェック。


カンちゃん、頭おかしくなりそうになってたなぁ。


もちろん、税金の滞納から携帯電話料金の滞納まで、過去の全ての履歴を調べられる。


これらがひとつでも黒だったらアウト。


そこもなんとかクリア。











この時、クラウドファンディングのリターンの写真集も作っていたので、本当毎日めっちゃ忙しかったです。
















写真集の編集をし、花火のポスターを作り、お盆の連休はめっちゃ忙しくて、その間を縫って融資獲得のために動き回りました。






















ライブが決まってからは練習も。




あ、12月14日のライブですが、チケット完売です。

ありがとうございます!!!








コニーも僕らのために一生懸命動いてくれて、情報を集めてくれました。


買えるか分からない。


でも僕らのために広告を下げてくれたコニー。


何ヶ月もかかってるのに、これで売れなかったらコニーの時間を無駄にしてしまうことになる。


それでもコニーは僕らを信用してくれ、そして美々津のためになるならばと奔走してくれました。


コニー、マジ女神。

マジアンジェリーナジョリー。







ブログで新規事業の内容を公開してなかったのは、ときわ旅館が売りに出ているということが分かったらどこかの投資家が大金を積んでかっさらってしまうかもしれないという懸念があったからです。


町の人たちと話していて、ときわが売りに出たらしいよ、誰か買わんちゃろうかねぇ、ねぇ大将、なんて話題になっても、さぁどうでしょうねぇ、と話をはぐらかしていました。


僕が確実に買える、と分かるまで、情報はひた隠しにし、全てを水面下で進めました。




ごく少数の相談していた人たちからは、クラウドファンディングでの資金集めは?というアドバイスももらったんですが、僕はすでに一度クラウドファンディングをやっています。


僕はクラウドファンディングってのは最終手段だと思っています。

人にお金を無心する行為、カッコいいものではありません。


だからあれはどうしてもどうもならん時の最終手段です。


何か新しいことを始めるたびに、はいークラウドファンディングやりますー、はいーまたクラウドファンディングやりますー、って何回もやってる人いますけど、あれは側から見てると自分自身とプロジェクトの価値を下げる行為に見えてしまいます。


クラファンは一度きり。

それが今のところの僕の考えです。






いやぁ、あんまりブログに自分の考えを書くことって減りました。


昔はバンバン書きまくってたんですけどね。

こんなやつマジ死ねボケ、とか。


そうやって自分の意見をガンガン書くのが面白い!!信念貫いてますね!!ってたくさんの読者さんがついてくれたんですけど、それと同時に敵もめっちゃできました。


意見を書いた時、それに同調できない人の心に生まれるのは反発ですよね。


僕もできれば人を怒らせたくないし傷つけたくない。

なのでブログに赤裸々に意見を書くことを控えるようになっていきました。



なるべく否定はしないように…………

周囲の人たちにできる限り配慮して…………



僕も大人になりました。



でもたまには書きます。書かせてください。

ブログなんてそんなもんっていう思いは今も昔も一緒です。















さてさて、話は戻って事業計画を練る日々。


もちろん、悩む瞬間はありました。


今新たに大借金を背負うリスク。

その恐怖が覆いかぶさってきます。


本当にやっていけるのか、今やっと手に入れた自分たちの城を失うことになるんじゃないのか。


こんな難しいことにチャレンジしないで、今ある平穏を大切にするべきじゃないのか。


何度もそんな話をしました。





しかし、やらなくてもその平穏が崩れるかもしれないんです。


砂の城が崩れるように、じわじわと、痛みを感じないようにゆっくりと町が衰退していく。

そしていつか取り返しがつかない状況になるかもしれない。


心に浮かぶ言葉。





「地元を誰かにまかせない。」





町を守っていくためには誰かが奮闘しなきゃいけない。

今がその時なのかもしれません。


70歳~80歳が多い過疎の町では、10年~20年のうちに人口減少は待ったなしで加速する。

そうなると空き家がどんどん増える。



所有権問題がややこしい空き家。


活用されなければ傷んで崩れて更地になる。

美々津の貴重な古民家が減れば、それはそのまま町の魅力が減っていくということ。


人口が減れば区費が減り、行事が運営されなくなり、地域の清掃もままならなくなって荒れていく。

伝統が失われていく。



マジで待ったなしです。



この10年20年の間に美々津の魅力を発信し、美々津の底力を上げ、人口の流出を防ぎつつ、移住者を増やす。


昔の活気を取り戻すには移住者は必ず必要です。

親戚がみんな戻ってくるだけでは足りません。



その足がかりのシェアハウスです。



美々津はクリエイティブな町、というイメージを発信し、歴史と最先端が融合するポイントを作りたい。



ターゲットは、


・美々津への移住希望者
・田舎移住体験の希望者
・定期的に日向にやってくる県外サーファー
・フリーランスワーカー
・田舎でのサテライトオフィスを希望する小規模企業
・日向市内の一人暮らし希望者



こんな感じです。



サーファー人口は毎年増加しており、そのうちの6割が移住意向を持っているという調査結果も出ている。


フリーランサーやパソコンひとつで生計を立てるノマドワーカーが増えてきている今、暮らし方も働き方も自分で選んでいける時代になってきている。

移拠点生活、多拠点生活と、生き方が多様化するこの時代にシェアハウスはそういった人々の受け皿になれるはず。




こうした人たちが美々津に中長期で住み、田舎の素晴らしさを体感することで、そこから本格的な移住につながっていくかもしれない。


最近では2016年~2018年の間に99名が県外から日向市に移住したそう。

それに拍車をかけたい。





築明治2年の元老舗古民家旅館を再利用。

古民家の良さを残した改修を行い、洗練された空間を目指す。

海の見える立地。

インターネット環境を整え、コワーキングスペースを設ける。

町自体が古民家が並ぶ伝統的建造物群保存地区であり、神武天皇お船出の神話が残る歴史ある土地。

全国的に有名なサーフスポットまで車で10分足らずという立地。




ときわ旅館は元々民宿である建物なので大幅な改修は必要ない。


カンちゃんが県外の人間であること、そして僕がここ美々津出身であるということで、県外と地元の人との距離を縮める橋渡しもできるはず。



加えて、カンちゃんは大阪のゲストハウスで1年半ほど働いた経験がある。


僕との世界旅に出ることでそのゲストハウスは辞めたけど、辞める前に新店舗のマネージャーをやらない?っていう話をもらっていたほどカンちゃんはゲストハウスの仕事を熟知している。


シェアハウスとは少し違うけど、部屋の管理やゲストとのコミュニケーションなど今回の事業に活かせる知識はすでに持ち合わせていると思う。






なぜ町おこしをするのか?

それは美々津に住んでいきたいから。


住んでいきたい好きな町が存続の危機にあるなら、守っていかないといけない。

そんなシンプルな想い。





















そしてついに、ついに準備が整った。



事業計画書を担当さんに提出する日が来た。


長かった…………


ここまで数ヶ月。

色々やるべきことが山積みの毎日の中、なんとか作り上げてきた。

何を言われてもキチンと答えられるだけの準備はしてきた。




担当さんに事業計画書を提出し、想いを伝え、反応を待ちました。


そして数日後、担当さんから返ってきた反応は、







とても良いものでした。



ひなた屋単体がキチンと営業できていることもあったんですが、プラスアルファで有利に働いていたのは、本当に意外だったんだけど、僕の本やネット上での情報でした。


日本政策金融公庫のときもそうだったんですが、お固いイメージだった金融機関がこんなにも僕の放蕩人生を評価してくれるなんて、青天の霹靂もいいとこでしたよ。



「サラリーマンは数字でしかその人の人生を評価できない。でも金丸さんはこれまでやってきたことをしっかり成し遂げて形にしてきている。こういう人にお金を貸したいんです。」



そう言ってくれた担当さん。


本当に旅してきて良かった。


前も書いたと思うけど、そんな旅とか音楽とかなんの役にも立たんことやってないで普通に仕事しろって言っていた親戚のオッチャンや周りの大人たちに胸張って威張りたいです。


俺がやってきたことはなんの役にも立たんことじゃなかったんだぞって。






しかし、ここで担当さんの口から出たのがあの恐怖の言葉です。



「金丸さん、保証人をつけていただきたいです。」



「ほ、保証人…………ですか……………ど、どう考えても僕のこと保証するような奇特な人がこの銀河に存在するとは思えな、」



「2人お願いします。」



「ふたっ!!!!い、いるわけねぇし…………」





マジで焦りました。


政策金融公庫の時は保証人なかったんですよね。

担保もなかったし、そんなもんみたいに思ってました。


しかし農協はキッチリしてます。


担保も設定するし、保証人も2人ときた。



マジ無理すぎる…………


保証人2人なんて草の根かき分けても見つけられない…………



こうなったらあの時俺に、マトモな人間ってのはなぁ!!定住して仕事して落ち着いて結婚して子供作ってだなぁ!!って言ってた親戚のオッチャンに頼むか…………



いや、オッチャンすぎて長期間の返済能力がないから無理…………






マジでどうしよう。

保証人なんて、どんな友達だろうが絶対になってはいけないというのが常識。

それをお願いしてくる時点で、もうその人との信頼関係が危うくなる。

そんなもん。




それを2人も…………




保証人協会はどうだ?って思ったんだけど、担当さんに聞いたら個人の保証人でなければダメだという返事。


そこも当然、審査の鍵になってくる。

周りに信頼できる人たちが存在するかどうかという点は、人間の大きな判断材料になるのは理解できる。


でもいねぇよおおあおお………………



ここにきて最大の山が立ちはだかった感じでした。




しかし、行かなきゃいけない。

必ず超えなければいけない山なんだから凹んでてもどうにもならない。



相談したのは、









最初にお金の相談をしたあの社長でした。




あれから定期的に、その後どうだー?とメールをくれていた社長。

ずっと僕たちのことを気にかけてくださっていた。


正直、このことを頼めるのは最初からずっと今回のビジネスについて相談していた社長だけ。



「社長、相談があるんです。」



メールを送ると、すぐに社長から返信が来ました。



「悩んでるのか?迷ってるのか?これ違うからな。」




背筋がのびる。

海千山千の社長の言葉は重みが違う。








迷いは1ミリもない。


行くしかない。


ていうか行きたい。



ただ、お客さんが来なかったら、という怖さはある。


でもやるしかないんだ。




「俺なったるで♫」




人生で1番怖い音符出ました。



音符ってこんなに怖い使いかたできるんですか?って思いました。



「その金額やったら俺1人で充分やろ。」



死ぬほど頼もしい言葉でした。



「フミ、あれからいっぱい勉強したやろ。足使って、色んなこと調べて、色んな人に話聞いて。」



「はい、めっちゃ勉強になりました。」



「それが俺がフミに教えたかったことや。金を出すのは簡単や。でもそれじゃあ今後のフミのためにならんからな。」



生き馬の目を抜くビジネス界でバリバリに活躍している社長から、本当に大切なことを学ばせてもらいました。














そこからは、以前ブログに書いた通り、社長に美々津に来ていただき、ウチで夜中までしこたま飲み、翌朝3人ともめっちゃ酒臭い状態で農協に突撃。


社長の名刺を見たときの反応面白かったなぁ。


ちょ、な、なんでこんな放浪人生してた謎のやつがこんな大社長連れてくるんだ!?!?っていう意外すぎるシチュエーションですよ。



「あ、あの、し、失礼ですが金丸さんとのご関係は………?ご親族とか…………?」



「いやー、あれは7年前ですかねぇ、ミュンヘン歩いてたら彼が道で歌ってましてね。それからお互いヨーロッパにいる時に遊んだりしてましてね。はははー。」




怪しすぎる関係性…………



しかし天下の大社長をこの場所に召喚していることはまぎれもない事実。


保証人のハンコを捺印してもらい、これで正式な申し込みが完了した。



「フミ、心配せんでも120パーセント通るわ。まぁ報告待ってるわな。」



社長を空港まで見送り、これにて僕らの手から事業計画書が離れました。

あとは審査を待つのみ。
















そんで僕らはインド行きました。


正直、インドで色々やってる間も、いつ電話がかかってくるだろう?今日か?今日こそか?さすがに今日だろ?って毎日ソワソワしてました。


しかし海外に行ってる間には審査結果の電話はなく、そのまま帰国。


んで、美々津に帰ってきたら色んな人から「ねぇねぇ金丸君聞いたよ!!ときわ買ったっちゃろ!?」って言われて驚きました。


どうやら家主さんがこの前引っ越しをした時に町の数人に話をしたみたいで、それが僕らが海外に行ってる間に瞬く間に広がり、すでに町の人全員が知ってるような状況になってました。



あんなにひた隠しにしていたのに…………


ていうかまだ売買契約してないのに、すでに町の人の中では、「ひなた屋がときわ旅館を買った」というふうに変換されていてビックリ。


まだ融資の結果すら分かってないのにーーー!!!


融資通らんかったら買えないんだから買ったとか言わんでーーーーー!!!!





町の人たち、お店に来るお客さんたち、みんなが聞いてくる。


ときわ買ったらしいね!!大丈夫ね?ひなた屋まで潰さんようにせんと!!ときわっていったら料理が美味かったからねぇ~ひなた屋の2号店にするとね?あそこの奥の屋根板は屋久杉が使われててねぇ~、ゲストハウスね!?


隣のおじちゃんも、大将大丈夫かー?って心配してくれる。



大丈夫。

大丈夫です。


爺ちゃんの想いを引き継いで、カンちゃんと一緒に美々津の町の美しさを後世に伝えていきます。



















そして帰国から数日。





買い出しの途中に電話が鳴りました。




「金丸さん、今大丈夫ですか?」




農協の担当さんの声。




鼓動が早まる。










「融資通りました!!つきましては契約書の記入がありますのでまた日付を打ち合わせしていきましょう。いやぁ~よかったですー!!」





カンちゃんと目を見合わせてガッツポーズ。





と同時に深呼吸。



マジJAYWALK。


私にはスタ~トだったのあなたには~ゴ~ルで~もぉ~~、ですよ。


そう、ゴールじゃなくてこっからスタート。





おおおおおおおっしゃヤルぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!


とりあえずランチ当分お休みだああああああああああああああああああああ!!!!!!